元損保会社勤務で現在は保険代理店もやっているNPO職員のわたけん@kentagohanです。
今朝のニュースは驚きました。
国内IT大手の楽天が朝日火災を買収し、損保業界に参入するというものです。
日本経済新聞記事➡️https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26246100Y8A120C1MM8000/
[box class=”red_box” title=”ラベル名”](朝日火災ってどんな会社?)[/box]
野村ホールディングス傘下の損害保険会社。
収入保険料は国内大手社と比較すると少ないが、J.D.パワー社の2017年自動車保険新規加入者満足度ランキングで1位を獲得するなど
の実績がある。
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私は保険会社時代、仙台で働いていたのですが、朝日火災の商品とバッティングすることはほぼありませんでした。
ただ、6年長期の自動車保険(普通は長くて3年)だったり、満期返戻金がある火災保険があったりと
変わった保険会社だなぁ、と思った覚えがあります。
公式ページに意見報告書が掲載されており、合意に至った経緯などが記されていました。
http://www.asahikasai.co.jp/news/tabid/84/Default.aspx?itemid=300&dispmid=750
当社が属する損害保険業界は、SOMPO ホールディングス株式会社、東京海上ホール ディングス株式会社及び MS&AD インシュアランスグループホールディングス株式会社の3メガグル ープの合従連衡により寡占化が進んでおり、国内市場シェアの大勢を3メガグループが占めていま す。一方、国内市場は生産人口の減少や若年層の自動車保有占率の低下などにより、企業間競争が 激化しており、3メガグループは、海外進出を加速させるなど、収益のグローバル化を図っていま す。 当社は、こうした厳しい国内環境においても、お客様が心から満足し感動するサービスを提供す ることで、国内シェアの拡大を目指していますが、そのためには、IT 技術の更なる活用や社名の認 知度向上が必要と考えていました。 そのような環境下において、代理店を介した FACE TO FACE での丁寧な販売体制に強みを有する当 社と、インターネットを通じて様々な事業を営み、かつ高い認知度を有する公開買付者が協業する ことで、(ⅰ)IT 技術を活用した新たなサービス・商品の将来的な展開、(ⅱ)当社の社名の認知度向 ― 5 ― 上、(ⅲ)公開買付者グループの既存顧客へのクロスセルによる営業実績の向上、(ⅳ)公開買付者グ ループとの人材交流や情報交換等の連携による保険事業及び IT 技術に関連した人材確保や教育拡 充などが期待できると判断しました
朝日火災は圧倒的知名度がある楽天と組む事で、ITを活用した魅力的な商品開発と知名度の向上を実現させる。
楽天は銀行・生保に損保を加える事で金融業としての厚みを加えるとともに、
自社のトラベル事業などに保険の付加価値を加える事が出来る。
意見報告書を読んで思ったのですが、これは双方に取って最大限メリットのある取引なんです。
国内の損保市場は東京海上HD,MS&AD HD,SOMPO HDに加えて外資のAIG損保の四つ巴でしばらく安定すると思っていましたが、
そこに風穴をあけてくれる会社が生まれそうです。
損保業界は旧態依然とした無駄なシステムや、ほぼ一律の代わり映えしない商品などが残っています。
朝日火災のある種キテレツな商品開発姿勢に、楽天のベンチャー気質とIT技術が加われば、きっと面白い事ができるはず。
楽天損保(仮)に期待大です。
それでは。
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